数学関連。
数学見聞録。過去ログ。
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遅ればせながら、3/16、/17の2日間、京都大学にて開催された第3回関西数学徒のつどいに参加してきました。
知り合いが少ないという中でよく参加したと思います。頑張った俺。
諸先輩方の講演に関して、一部ながら感じたところを。
・一日目
市民こと相転移P氏の講演は偶然ながら、ちょうど個人的にやっていた微積分の復習に重なる部分が多かったです。
私は今まで如何に定義を受け入れるか、ということを理解へのステップにしていました。
が、この講演では定義に対して反例を考えることを通して、角度を変えて眺めることが取り上げられており新鮮に感じました。
特に$\varepsilon -\delta$論法は反例を挙げやすいかなぁと個人的に思います。
ルールを真正面から受け入れることも必要ですが、ルールからどこまではみ出したらまずいか(はみ出しても良いか)を考察するのも一つ大切ですね。
衝撃的だったのは「連続⇒微分可能」なる証明が歴史上あったということ。
微分可能性一つについても足跡を追うことは価値あることだなぁと納得しました。
Dirichlet関数から超関数論が芽生えたことを思えば、このくらい眺めて初めて研究だとも感じます。
また、感銘を受けたのはeno氏の講演でした。線型代数を軽く仮定した上での表現論入門。
線型写像は基底を定めれば行列で表現できる、ということの延長にあるのかなと感じました。
ガチガチの代数的考え方からYoung図形、確率論的手法、解析的手法もあるということも紹介され驚きです。
仮定されていた知識を持ち合わせていたのもありますが、内容がすっと入ってくる語り口は倣いたいところです。
こういった展望的なお話が聴けるのは幸せなことだと思います。
かなり惹きつけられました。「加群十話」あたりをもう一度読み返したくなります。
・二日目
二日目はalg_d氏の選択公理の話から始まりました。
選択公理を仮定しないと世界がヤバイことが短時間で感じられるのは凄いなと思います。
他の方々も口にされていましたが、雰囲気から世界からその場を作ることがとても巧いなと感じます。
公理を否定した条件を仮定して進められたりなど、レベルはかなり高かったです。
(まず選択関数のことからよく分かっていなかったとか言えない勢)
公理のありがたみを感じるために上から下からアプローチするのは相転移P氏の講演にも通じるところがありました。
まずはちゃんと選択公理⇔整列可能定理⇔Zornの補題あたりを学習したいです。です。
そして、午後は代トポの光こと小泉ふゅーりー氏の代トポの講演が何よりも刺激になりました。
漠然とトポロジーやりたい! とは思って参加していましたが、具体的に何をやるのかは全然知りませんでした。
むしろ根拠のない恐ろしさ(うすら寒さ?)すら感じていました。
そのため、概略を示してもらえただけでもぐっと距離が縮まった気がします。
入門のために取り寄せていた本がつどいから帰宅翌日に届いたりなど、これはやるしかないと思っております。
光に近づきたい、というか本気で専門にしたいと思いました。楽しそうです。
まずは取ったノートの中身を確と理解するのを目標にしたいです。
他にも興味深い話、面白い方のことも書きたいですが割愛させていただきます。楽しかったです。
勉強する分野に対しても、勉強する態度に対しても本当にいい刺激をいただきました。
数学を専門にしている方々はストイックなイメージが先行していたのですが、やはりモチベーションとしての楽しさや愉快さがあるのだなあと安心しました。
次回参加時には彼らに恥じぬよう、堂々と胸を張って参加できるように新年度頑張りたいと思います。
特に代数に関してはちゃんと復習しないとと思いつつ……。
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で、浮気してばっかというのもアレなので多様体の本を折角読んでるのでちょっとそこらへんを。
書評できるほど読みもできていないけども。
メインで読んでいるのは松本幸夫先生の「多様体の基礎」です。例の黄色いやつです。
もうすぐ第3章を読み終わるところでなんやかんやしていますが、行間が無いので非常に理解しやすいです。
講義で口頭で述べられるようなことまで仔細に書いてあるのでとっつきやすいのは確か。
大学一年レベルの微積や線型代数の知識に加えて、位相空間論で初歩的な抽象論に慣れておけばガンガン行けます。
ただ、ページあたりの濃度が低いので写経には向かないと思います。というか大変です。
それでもこの本に載っているような議論が確かにできているといいですよね。やっぱ。
で、今後読もうかと思っている幾何学の本は以下の通り。
・I.M.シンガー、J.A.ソープ 「トポロジーと幾何学入門」
・田村一郎 「トポロジー」
・小林昭七 「曲線と曲面の微分幾何」
・村上信吾 「多様体」
・森田茂之 「微分形式の幾何学」
上2冊はトポロジーの本です。シンガーの本は今借りてますが全く手を付けられてないです。
小林先生の本は途中で止まってます。行間は所々あります。春からの授業と一緒に進めようかと画策中です。
村上先生の本はTwitterで優秀なB1の方々が読んでるらしいので今後手を付けたいです(震え声)。
森田先生の本は借りてみましたが、松本先生の本で一冊かけて議論していることが第1章で終わっていたので愕然としています。
将来読み進めるならこの本かなと思います。
で、多様体を学び始めて思ったこと。
入りのところはそれほど不思議なものではなく、「断片的な地図を張り合わせて地球を再現しよう!」みたいな感じでした。
あとは多様体上の関数や写像は自然と微積分の話に持ち込めて、しかも思った以上に話が進めやすいのが印象的でした。
(当然、実関数の微積分で苦労した上に成り立つ話です)
連続性などが位相空間論で自然に定義されるように、多様体もごく自然な(=ごく都合のいい)概念なのだなと思います。
これから埋め込みやはめ込みをやるわけですが、そこらへんは特徴的な概念になっていくんでしょうかね。
そう思うと楽しみです。
一応、微分形式を知ることを目標にしたいと考えています。
いろいろやりたいですが、つどいに行く関係上また心変わりする可能性がry
残りの期間、もう一度身を入れてやりたいところです。
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実数論のあたりを思い立って復習し始めました。多様体やってたはずなんですけども。
某先生が前期にとんでもない量の板書をしてくれたせいでそこらへんの足元がふらふらしています。
当然ギャップも結構あって、そこを埋めつつノートにまとめなおしています。
私が習ったノートには実数の構成のメモがあって、順序完備性をもつ集合は順序同型を除いて唯一に定まるようです。
別の講義で有理数体上のCauchy列から完備化ができることは習っていましたが、上の記述に初めて気付きました。ダメじゃん。
てかそれくらい理解がおっつかなかったのが原因なんです!!!
ちなみに順序完備性はWeirestrassの公理ともよばれるそうな。
……まあとりあえず、こちらの方は一様収束くらいまでは春休みに終わらせておきたいですねぇ。
あと、折角「ポストモダン解析学」を借りているのでAscoli-Arzelaの定理もちゃんとやっておきたいところ。
2013/07/08 突然の変分問題
最速降下問題で解かなければならないサイクロイドの式の導出をまとめました。↓のTeX打ちしたものに追加してあります。
プレゼンの講義でプレゼンしてみたら酷い事実の羅列になりました。
その副産物です。ただし、メモ書きっぽいので厳密なことは一切書いていません。
一度は自力で追ってみると楽しいかもしれません。楽しくないのかもしれません。
そのうち変分問題本論についてもまとめているので、それを上げるかもしれません。
解析は苦手宣言を今期していたりしますが、まあ変分問題は面白いよね(
微分幾何の講義が楽しいと楽しいのかもしれません。
そう言えば、同級生の方々は訳分からんと言っていたので、それのせいで受けが悪かったのかも……?
2013/07/08 (Mon) 00:51:48
2013/03/26 つどい参加録
2013/03/26 (Tue) 13:09:16
2013/03/12 多様体の本について
2013/03/12 (Tue) 23:49:20
2013/03/12 リアルに浮気
2013/03/12 (Tue) 20:01:15
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